今年もやってきました、岩手の西和賀。
今年は雪が多かったためか、なかなか雪解けせず、いつ行こうかと様子を見ていたのですが、5月中頃に温かくなってきたと思ったらいきなり梅雨入りになってしまって慌てました。
仕事の隙間を見つけ宿の空き情報をみて出発したら、土砂降りの真っ只中でした。・・・雨の中、苦労している渓流釣りの様子は、食いたい魚は己で釣れをご覧くださいませ。
昔はテントや車中泊もあった岩手の釣行ですが、震災があってがけ崩れや林道の分断などでテント場までいけなくなってしまったので、ここ数年はすっかり旅館にお世話になっています。
この「四季彩の宿ふる里」さんも2012年の春以降お世話になっているのですが、ご飯の美味しさと、従業員のみなさんの人の良さ、温泉の泉質、のんびりとした雰囲気などが気に入りすっかり定宿にさせていただいています。初回宿泊時に会員に登録していただいたので、それ以降会員価格の超リーズナブルな金額で宿泊させていただけているのも大きなポイントではありますが。
数えてみたらこの3年(5シーズン)で8泊していました。
今回は、2連泊でお世話になります。
食前酒(写真なし)・・・ライチかなにかフルーツ酒のソーダ割りだったと思うのですが、甘くて美味しくてクピっと一気飲みしちゃいました。初日ってお腹すいているし疲れてポーっとしているし美味しいしで、ついつい食べることに集中しちゃって・・写真を撮り忘れてばっかりです(>_<)
夏の夕飯のお献立は「夏祭り」をイメージしているそうです。随所に遊び心が見え隠れしていますね。
前菜:蕨ソーメン・コーン豆腐・コンソメジュレ・牛肉の深谷巻
「牛肉の深谷」が岩手「さんさまつり」の太鼓をイメージしているそうです。かわいい☆
「蕨ソーメン」は、以前いただいたものよりも片栗粉の層が薄く蕨の柔らかさがダイレクトにきました。西和賀の蕨はやっぱり美味しいです。
「コーン豆腐」とうもろこしの甘みがほのかに伝わってきます。
「コンソメジュレ」は枝豆とトマトが入っています。トマトが甘くてフルーティ。その分ジュレがちょっと薄味にかんじます。
でも、前菜ですから。やさしい味でスタートですね。
ご飯:土鍋ご飯・ジャコ有馬山椒(写真なし)
香の物:かぼちゃのもみ漬・ミニトマトのジュレ漬(写真なし)
吸い物:ジュンサイのお吸い物(写真なし)
ご飯は、注文から炊き始めるので30分かかるとのことでした。食事のスタートとともにご飯がほしい場合はチェックイン時に言っておくべし。私たちは酒を飲まない人なので、その旨伝えていたのですが、ちょっぴり連絡ミスがあったらしく夕飯スタートより少し遅れてご飯が登場しました。
お宿の方からは「炊き上がるまで普通に炊いたご飯でよろしければ少しお持ちしましょうか?」とのご提案もいただきましたが、我慢して炊き上がりを待ちました。そして、これは待つ価値あります。
米の銘柄は岩手県産のあきたこまちとのことでしたが、朝ごはんに同じお米をいただいたときに、銘柄の問題ではないことがはっきりわかりました。土鍋と絶妙な炊き加減のなせる業がすばらしいです。
土鍋の底にできたこげはほんのり色がつく程度で、つややかでもっちりと立ち上がった米粒は「銀しゃり」というにふさわしい風格。しっとり瑞々しいが水っぽいわけではなく、噛むとねっちりと甘みが広がり、日本人でいる幸せを再確認しました。
かぼちゃのもみ漬が気に入ったのは女子だから??(よく、女子はさつまいもとかぼちゃ好きと言われます)食感が瓜なのに味はほんのり甘くて気に入りました。ミニトマトのジュレ漬は、デザートで出てきてもおかしくない甘さがあり美味しかった~。
お吸い物は、かつお出汁がきいていました。ここで「料理長変わったのかな?」という疑惑が生まれました。「去年の料理長だったらもっと昆布がきいててもおかしくないよね?」と、相方と会話。「まあ、変わっていたとしても、今年もおいしいから別に良いかー」
お造り:殻つき雲丹・湯引き鱧・甘海老・大根の酢づけのいくらのせ
「大根の酢づけ」が、山形の花笠祭りをイメージしているそうです。最初、何でくらげを模したものがあるのかと思っちゃいました(笑)すみません。
お造り3種は、ちょっと私たち的には微妙だったかなあ。どれも、味が優しいのでご飯はすすみません。日本酒を飲んだら最高のアテだったと思うのですけども。
おさしみよりも・・・何気にわさびが美味しかった。わさびご飯にして食べちゃいました。摩り下ろした本わさびは香りがよく、刺身にのせるとふんわり甘いのに、ご飯にのせて醤油をかけ、わさびご飯にしたところ、けっこう攻撃的な辛味がきました。
このお宿は、ソースとか薬味とか、細かいところまで気を抜かない点がポイント高いんですよね。
冷菜:夏野菜の冷製チーズフォンデュ
こちらは、仙台の七夕祭りだそうです。なるほどー、かわいい!!
フレッシュでほんのり酸味があってコクのあるヨーグルトのような冷たいチーズソース。チーズフォンデュというよりは美味しいシーザーサラダってかんじですかね。私はチーズは苦手なのですが、このソースは癖が少なくパプリカが利いていて美味しくいただけました。
主皿:ちゃんこ鍋風チゲ(写真なし)
・・・すみません。「主」の写真を撮っていないなんて・・帰ってくるまで気がつきませんでした(汗)
きんめ・ホタテ・えび・豚・ぶなシメジ・えのき・おとうふなどなど、ちょっと甘めの醤油だしの鍋でした。
このあたりで、食前酒がきいて私はいったんダウンしていました。お行儀悪いのはわかっているのですが、畳のお部屋なのをいいことにゴロ寝。
焼き物:清流鳥のグリル
想像と違うものが出てきてびっくりしました。ここで洋風が来るとは!!「冷菜」もチーズフォンデュでしたから、流れとしては、そんなにいきなりってことはないんでしょうけども。でも私、直前に、ちゃんこ鍋食べていたので(笑)。
さっぱり淡白な味わいの鳥に酸味と甘みと両方あるイタリアントマトの濃厚なソースでとっても美味しい。
これは、パスタかパンがほしくなりますね。あ、お宿のHPにあった「スウィーツ食べ放題プラン」のならこの主菜があいそうですね。
中皿:蟹の錦紙巻
ほおづきが、東京の「ほおずき市」を模しているそうです。
茗荷が酢漬けになっていて美味しかったです。蟹の方は・・・ちょっとインパクト薄いかなあ。
口もさっぱりして美味しいのですが、なにせ直前が洋風「清流鳥のグリル」で、トマトがしっかり利いていたので・・・。鳥が照り焼きとか塩焼きとかだったら違和感がなかったかも・・・。
揚物:ホタテのガダイフ巻
福島の「わらじ祭」だそうです。
抹茶塩が添えてあります。この終盤にきての揚げ物は女子としてはきびいしいなあと思いつつ、こういう変り種の揚げ物だとぺろっと食べちゃえるのが不思議。・・相方に「そんなだからデブるのじゃ」とののしられます(笑)
ガダイフ巻って、食感が良いのでとっても好きです。サクサク・パリパリが楽しい。ホタテも大振りで味が濃かった~。
帆立の上にのっていた、ピンクの塊は、中身がなんだかわからず、恐る恐る食べたら、しし唐でした。おおっ・・・これが鼻緒なのかな??
ナスも、ついていた緑のあられみたいなものの正体がわからず・・・、吟味しながら食べたのですが・・食べてもなんだかわからなかった。うーん、こうやってあれこれ悩みながら食べられるのもこのお宿のお料理の楽しいところですねえ。
あー。お腹いっぱいです。あいかわらずおいしいです。
でも、やっぱり料理の組み立てが去年と違う気がします。出汁のとり方もちょっと違う?
それと、今回のコースは半分くらいが冷たいお料理で、味がさっぱりして酸味のあるものが多かったような気がします。「夏向き」だからかな?
一品一品、美味しくてお料理だけで食べるとか、酒とともにするのがちょうどよいかんじでした。翌日、釣りをしないのであれば、本当に日本酒が飲みたかった。
デザートを待ちながら、お茶を飲み、相方とお料理と東北夏祭りの話で盛り上がっていました。「相馬の野馬追いとか、秋田竿燈はなかったねえ。聞き漏らしてしまったのかな?」とか・・・
そうしたら、なんとデザートが秋田竿燈祭りをイメージされていました。
デザート:レモンアイス・枝豆のババロア
すみません。この写真、お宿のブログからパクりました。
レモンアイスは、メレンゲか生クリームでふんわりさせているのかムースを冷やしたようなふんわりした食感がおもしろい。すっぱすぎず、レモンの香りがさわやかです。下に引いてある竿を模したソースや、アーモンド・ピスタチオの粉をつけながら食べるとまた面白い味に変わります。
枝豆のババロアは、マメマメ感がよく夏っぽいです。
最後の最後まで「してやられたー」という心地よい驚きがありました。
明日のご飯も楽しみですー。
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